超過収益法
PPA

超過収益法

無形資産評価の実務の多くのケースで採用される主要な評価手法として、ロイヤリティ免除法と超過収益法があります。

超過収益法は、評価対象となる無形資産に関連して生み出される将来キャッシュ・フローから、当該将来キャッシュ・フローの獲得に貢献する評価対象資産以外の資産(貢献資産)の寄与する部分(キャピタル・チャージ)を控除して超過収益を求め、超過収益の現在価値で評価する方法であり、主に顧客関係資産の評価において採用される手法です。

超過収益法の計算過程(設例)

単位:百万円

合計

21/3期
(計画)

22/3期
(計画)

23/3期
(計画)

24/3期
(計画

)

25/3期
(計画)

全社売上高

1,200

1,214

1,228

1,242

1,256

顧客リスト売上高

930

720

557

431

334

 全社売上比

77.5%

59.3%

45.4%

34.7%

26.6%

顧客リスト営業利益

(A)

147

116

92

73

57

発生を逃れる新規顧客獲得費用

(B)

19

14

1

1

9

7

 売上高比率

2.0%

2.0%

2.0%

2.0%

2.0%

顧客リストに関する税引後将来CF

(C=A+B)

166

131

103

81

64

実効税率

(D)

30.0%

30.0%

30.0%

30.0%

30.0%

法人税等相当額

(50)

(39)

(31)

(24)

(19)

顧客リストに関する税引後将来CF

(E)

116

92

72

57

45

顧客リストに関するキャピタルチャージ

(F)

(27)

(21)

(16)

(13)

(10)

 運転資本

(8)

(6)

(5)

(4)

(3)

  対顧客リスト売上比

0.8%

0.8%

0.8%

0.8%

0.8%

 有形資産

(16)

(12)

(9)

(7)

(6)

  対顧客リスト売上比

1.7%

1.7%

1.7%

1.7%

1.7%

 ソフトウェア

(1)

(0)

(0)

(0)

(0)

  対顧客リスト売上比

0.1%

0.1%

0.1%

0.1%

0.1%

 人的資産(のれん)

(3)

(3)

(2)

(2)

(1)

  対顧客リスト売上比

0.4%

0.4%

0.4%

0.4%

0.4%

顧客リストが寄与するキャッシュフロー

(G=E+F)

89

7

0

56

44

35

割引率

10.0%

10.0%

10.0%

10.0%

10.0%

割引期間

0.5

1.5

2.5

3.5

4.5

割引係数

(H)

0.95

0.8

7

0.79

0.7

2

0.65

顧客リストに関する現在価値

(I=G*H)

244

85

61

44

32

23

償却率

(J)

0.2

0.2

0.2

0.2

0.2

節税効果率

(K=J*D)

0.06

0.06

0.06

0.06

0.06

節税効果率の現在価値

(L=K*H)

0.24

0.06

0.05

0.05

0.04

0.04

節税効果考慮後の顧客リスト現在価値

(M=I/(1-L))

321

出所:経営研究調査会研究報告第57号 無形資産の評価実務―M&A会計における評価とPPA業務(日本公認会計士協会)

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