PPA(IFRS)PPA -IFRS
PPA
PPA(IFRS)PPA -IFRS
日本基準とIFRSでPPAについて多くは共通しているものの、一部違いがあります。
① 無形資産の識別要件
日本基準では、分離して譲渡可能な無形資産が含まれる場合には、当該無形資産は識別可能なものとして取扱うとされ、「分離して譲渡可能かどうか」が実質的な判断基準となる一方で、IFRSでは、分離可能性規準のほか、契約又は法的権利から生じている場合は、資産が分離可能かどうかに関係なく識別可能となるとされます(契約法的規準)。
- 項目
- 内容
IFRSにおける無形資産
- 無形資産の定義
(IAS38号) -
■無形資産は「物理的実態のない識別可能な非貨幣性資産」と定義されており、その定義を充足するために備えている必要がある要素として、「識別可能性」、「支配」及び「将来の経済的便益」を挙げている。
- ・「支配」過去の事象の結果として企業が支配している
- ・「将来の経済的便益」将来の経済的便益が企業に流出することが期待されている
■また、上記の定義に加え、以下の要件を満たす場合に、資産計上されなければならない。
- ・経済的便益をもたらす蓋然性:将来の経済的便益を企業に流入する可能性が高い
- ・取得原価の測定可能性:取得原価を信頼性を持って測定できる
- 企業結合における無形資産の識別
(IFRS3号) -
■IFRS第3号「企業結合」においては、「取得企業は、のれんとは別に企業結合で取得した識別可能な無形資産を認識しなければならない。無形資産は、分離可能性基準又は契約法的基準のどちらかを満たす場合に識別可能となる」、とされている。
- A)契約・法的案件:契約又はその他の法的権利から生じている場合(それらの権利が譲渡可能かどうか又は被取得企業若しくは他の権利及び債務から分離可能かどうかに関係なく)。
- B)分離可能性案件:企業から分離又は分割でき、かつ、企業にそうする意図があるかどうかに関係なく、個別に、又は関連する契約や識別可能な資産若しくは負債と一緒に、売却、譲渡、ライセンス付与、賃貸又は交換ができる場合。
■企業結合で取得した認識可能な無形資産については、資産の認識案件である、経済的便益の流入可能性と取得原価の測定可能性案件をともに充足するとみなされる。
■しかし、次のような場合は公正価値を算出できない場合もあるとしている。
- ・契約・法的要件を満たすが、分離できない場合
- ・契約・法的要件を満たし、分離可能であるが、過去に同様の資産の取引実績や取引を証明しうるものがなく、公正価値の評価において計測不能な不確実性によらざるを得ない場合
② 無形資産とのれんの償却
無形資産は経済的耐用年数を決定することが困難な場合も多い中で、日本基準においては全ての無形資産について経済的耐用年数を設定し償却計算を行う必要があるのに対し、IFRSでは耐用年数が確定できない無形資産については非償却が認められています。
日本基準 | IFRS | |
---|---|---|
のれん | 20年以内で償却 | 非償却 |
耐用年数が確定できない無形資産 | 非償却は認められない | 非償却 |
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