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パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)-無形資産の識別・公正価値評価

 

業務内容

 

PPAのプロセスでは、株式価値から時価評価した資産・負債を控除した後の残った全額が無形資産の算定の対象となり、無形資産を認識した後の残余がのれんとなります。
 
CPAパートナーズ株式会社では、企業結合日を基準日として日本基準/IFRSに基づく無形資産の識別・評価に関する報告書をご提供いたします。
 
会計監査人との質疑応答も併せて行います。
 
また、企業結合会計における会計処理の検討や、のれん金額確定のための各種サポートも実施いたします。
 

無形資産の評価業務の流れ

 
1. 対象会社等の基礎的な情報の収集、企業結合取引に関する内容確認
― 財務・税務デュー・ディリジェンス調査報告書、価値分析報告書、社内検討資料・取締役会資料、その他必要情報の内容確認
― 業界動向に関する資料の収集、理解
 
2.インタビュー、質問等を通じた重要な無形資産の識別
― 買い手側企業や対象会社への質問やインタビュー、提供データに基づく無形資産の識別の検討
 
3.識別された無形資産の公正価値評価、報告書ドラフトの提出
― 評価対象は、2において識別された無形資産
― 識別された重要な無形資産の評価手法の検討(主としてインカム・アプローチの採用を想定)
― 無形資産の価値評価
― 評価ドラフトの作成、提出
 
4.会計監査人による監査
― 会計監査人との対面での質疑応答、書面による質問に対する回答作成
― 会計監査人の監査が終了により、報告書が確定し、業務が終了
 

IFRSに基づくPPA

 
◆ IFRSにおいて、無形資産は「物理的実体のない識別可能な非貨幣性資産」と定義されており、無形資産の定義を充足するためには識別可能であることに加え、「支配」及び「将来の経済的便益の存在」を満たす必要があるとされています。
 - 「支配」          過去の事象の結果として企業が支配している
 ー 「将来の経済的便益の存在」  将来の経済的便益が企業に流入することが期待されている
また、上記の定義に加え、以下の経済的便益の確実性に関する認識規準を満たす場合に、資産計上されなければならないとされています。
 - 経済的便益をもたらす蓋然性:将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い
 - 取得原価の測定可能性:取得原価を信頼性を持って測定できる
 
◆ IFRS 第3号「企業結合」においては、「取得企業は、のれんとは別に企業結合で取得した識別可能な無形資産を認識しなければならない。無形資産は、(A)契約・法的規準、(B)分離可能性規準のどちらかを満たす場合に識別可能となる」、とされています。
 - (A)契約・法的規準:契約又はその他の法的権利から生じている場合(それらの権利が譲渡可能かどうか又は被取得企業若しくは他の権利及び債務から分離可能かどうかに関係なく)。
 - (B)分離可能性規準:企業から分離又は分割でき、かつ、企業にそうする意図があるかどうかに関係なく、個別に、又は関連する契約や識別可能な資産若しくは負債と一緒に、売却、譲渡、ライセンス付与、賃貸又は交換ができる場合。
 
企業結合で取得した識別可能な無形資産については、資産の認識要件である、経済的便益をもたらす蓋然性と取得原価の測定可能性要件をともに充足するとみなされます。
 

日本基準に基づくPPA

 

日本基準においても、2010年4月1日以降より無形資産の識別・評価の検討が必要となっています。

 
◆ 日本基準による企業結合において識別する無形資産は、「法律上の権利など分離して譲渡可能な無形資産」です。識別可能な無形資産については、企業結合会計基準等で規定されています。
 
◆ 企業結合会計適用指針は、分離して譲渡可能な無形資産の要件として、受け入れた資産を譲渡する意思が取得企業にあるか否かにかかわらず、企業又は事業と独立して売買可能なものをいい、そのためには、当該無形資産の独立した価格を合理的に算定できなければならないものとされています。
 
◆ 企業結合会計適用指針59-2項では、特定の無形資産に着目して企業結合が行われた場合など、企業結合の目的の一つが特定の無形資産の受入れであり、その無形資産の金額が重要になると見込まれる場合には、当該無形資産は分離して譲渡可能なものとして取り扱うものとされています。
 
◆ 企業結合の目的が特定の無形資産の受入にあり、その無形資産の金額が重要になると見込まれる場合には、利用可能な独自の情報や前提等を基礎に一定の見積方法を利用し、あるいは外部の専門家も関与するなどして、通常、取締役会その他の会社の意思決定機関において、当該無形資産の評価額に関する多面的かつ合理的な検討を行い、それに基づいて企業結合が行われたと考えられるため、これらの場合には分離して譲渡可能なものとして取り扱うこととされています(適用指針367-2項)。

 

主な実績

    パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)・無形資産の識別・評価

  • 上場会社のミドルサイズの買収案件におけるIFRSに基づく識別可能無形資産の検討/商標権の価値の簡易試算、監査法人との質疑応答(2015)
  • 上場会社によるTOB案件における日本基準に基づく無形資産の識別検討、監査法人との質疑応答、負ののれんが生じる場合の無形資産の識別に関する会計基準の調査(2017)
  • 大手製紙会社による買収案件における日本基準に基づく無形資産の識別の検討、商標権の公正価値評価、監査法人との質疑応答、負ののれんが生じる場合の無形資産の識別に関する会計基準の調査(2017)
  • 大手公開準備会社よるファンド保有株式の買収案件(店舗ビジネス)におけるIFRSに基づく無形資産の識別の検討、監査法人との質疑応答(2018)
  • 大手公開準備会社よるファンド保有株式の買収案件(店舗ビジネス)におけるIFRSに基づく無形資産の識別の検討、無形資産の公正価値評価、監査法人との質疑応答(2018 継続中)